中田ヤスタカWorld
中田ヤスタカ氏について、動画サイトに2時間以上にわたって氏の楽曲作成に関する記事がPerfumeへの楽曲提供を通じて編集されています。また、ウィキペディアのPerfumeの項を読んでも彼の音楽作成に対する姿勢が読み取れます。すでに映像と文字が準備されています。それでも、中田ヤスタカ氏について、なにがしか言わずにはいられない、それはPerfumeを通じてではありますが、中田ヤスタカ氏の音楽に強い関心があるから、そんな感じです。
おもしろいのは、中田ヤスタカのウィキペディアページには「この存命人物の記事には、出典が全くありません。」と書かれているほか、Perfumeより活動歴が長いにも関わらず、記事の少なさは半端ではありません。謎の人物といったところです。
Perfumeを通して語ることはできても、中田ヤスタカ氏自体をターゲットに語るのは困難を極める、彼の作った楽曲すべてが彼自身である、とでも言いたげです。
あーちゃんによれば「電池を食べて生きている」と思っていたとか、「テクノポップ」という音楽の部類があることを知らなかったとか、だから中田ヤスタカ氏に渡される楽曲が「軽く感じて」好きになれなかったとか、アイドルとして作曲家を見た場合、相当の距離感・違和感・ギャップがあったようです。
一方、23歳の中田ヤスタカ氏もアイドル歌手を目指す14歳の3人組に対しては、楽曲作りとは別のところで試行錯誤をしていたようです。同じ年齢になったPerfumeの面々に「その年になって、中学生に目の前で泣かれたら、どうする?」「今から中学生をプロデュースしろといわれたら、やる?」という問いかけをしているところをみると、クールな雰囲気とは違って、苦労していたんだなぁ、と感じます。
あーちゃんが理解できなかったテクノ音楽の世界ですが、中田ヤスタカ氏に言わせればそれだけではない世界なんだけれど、すべてテクノだといって、心からそれを信じて、それに取り組んでいるのには異議を唱えないようです。学者じゃないんですから、分類にこだわるよりも現場で創造していくものと考えているのでしょう。
ポリリズムもPerfumeがブレイクしたときの楽曲として有名になりましたが、本来ポリリズムは音楽用語で、当時の若者音楽の最先端だったようです。そういう意味でもPerfumeはアイドルでありながらアイドルらしからぬ部分で時代の最先端を走っていたんですね。
中田ヤスタカ氏はよく「CAPSULEもプロデュースしているそうですね」と質問をうけるそうですが、CAPSULEは自分のユニットなんだけど〜、と苦笑しています。
Perfumeの場合、アイドルとしてはチャレンジに満ちた楽曲作りに取り組んでいますが、さすがに商業ベースで実験はできないでしょう。「いけそう」というアタリのついたチャレンジといってもいいかもしれません。中田ヤスタカ氏にとっての真のチャレンジはCAPSULEで行われているようです。ここでアタリを探っているのでしょう。
あーちゃん、かしゆか、のっちの3人とも「中田さんは神じゃ」と広島弁でよく語ります。楽曲作りに全幅の信頼を寄せている証拠ですね。それでいて普段の中田ヤスタカ氏のことは「近所のお兄ちゃん」的存在といっています。このギャップ感がとてもいい感じです。
中田ヤスタカ氏は現在さまざまなアーティストに楽曲を提供しているようで、あーちゃんはそれをとても心配しています。「中田さん、わたしらのこと見捨てんでね」と切に訴えている様子は真剣です。傍からみていてそうは思えないのですが、当人たちにとっては切なる想いなんでしょう。
商業ベースで採算のとれる音楽づくり、というと聞こえはよくありませんが、中田ヤスタカ氏は好きなことしかやっていなくて、それを実現しているように見えます。
曲作りにしても1日のうちで何曲も作り、そのうちの一番いいやつを提供するというスタンスのようです。自分が乗らない音楽を提供しても、聴いているひとは楽しめないというスタンスです。曲作りに煮詰まったら、さっさと切り捨てて新たな曲を作っていく、それは天才的な作業です。
丼(どんぶり)ものが好きで(あーちゃんに言わせれば「ろこもこ丼」)、意外やドラえもんが大好きで、それでいてクールな(あーちゃんによる中田さんの憑依芸は怪しげですが)、中田ヤスタカ氏の今後の曲作りに大注目です。
中田ヤスタカ氏の掟
1 曲のストックは作らない
2 レンタルはしない
3 なるべくひとりで全部やる
4 クラブではビール
5 携帯の着信音は無音
6 移動中は音楽を聴かない
7 薬はギリギリまで飲まない
8 仕事の前に食事を決める
9 未来のプロに刺激を受ける
10 自分が聴きたい音楽を作る
2のレンタルはしないとは、「レンタルでスタジオを借りない、レンタルするとお金と時間に縛られて自由でなくなる。DVDも借りずに買う、借りてコメントするよりも買ってコメントするほうが作り手も納得する。」ということらしい。
10は、「自分が楽しいと思えるものを作る」といは究極の自由人の感覚です。これは誰もが目指したい究極の姿です。