あーちゃん、かしゆか、のっち
見た目や発声、ダンスについて三人三様の個性を持っているのは当然ですが、Perfumeというユニットの中でそれぞれが存在する意義というものを強く意識しているのは、意外に中田ヤスタカ氏です。
彼の視点は、彼女たちの声にあります。中田ヤスタカ氏は彼女たちの声も楽器のひとつと捉えているようで、その考え方を聞いたときはびっくりしました。なぜなら、歌においては人間の声が主役であって、楽器はあくまでも脇役であるというのが常識だと思っていたからです。
聴くほうもびっくりするのですから、歌い手である彼女たちは非常な衝撃を受けたのではないかと思います。
それでも、「Seventh Heaven」や「マカロニ」「願い」「心のスポーツ」はテクノではあるものの、彼女たちの生声の特徴を最大限に引き出している楽曲だと思うし、演歌や歌謡曲を聴き慣れた耳にも心地よいメロディーを持っていると思います。
彼女たちが広島でデビューしたときはまだ中学生で、そのきゃぴきゃぴの雰囲気に合わせた楽曲が提供されました。
メジャーデビューのころは高校生で、思いっきり近未来テクノポップの楽曲が提供されました。
そして、二十代半ばの彼女たちには、「愛」「LOVE」をテーマにしたテクノでそして優しい曲が提供されているように思えます。
もはやクラシックといっても過言ではないビートルズの楽曲も発表当時はファンの女の子が失神するくらいの衝撃がありました。エルビスプレスリーもしかりです。
今彼らの曲を聴くと、心に浸みる曲ばかりで、どこに失神する要素があったのか分かりかねます。当時の大人からはビートルズもエルビスも曲を聴いてるだけで不良少年、不良少女でした。 (実は、曲に失神していたのではなく、ポールやエルビス本人にしびれていたんですよね)
Perfumeも今は近未来テクノポップで巨大な会場をファンで埋め尽くしています、そして時を経て名曲となる楽曲をたくさん持っています。
そんな中、あーちゃんは作詞をしたいと要望しましたが、中田ヤスタカ氏から今は断られたようです。でもその願望は、そのうち叶うのではないのでしょうか。言霊を信じているPerfumeですから。
Perfume広島時代の歌いこむスタイルと中田ヤスタカ氏テクノの楽曲がやがてマッチするときがやってくるとおもしろいと思うのです。